No.71 | 大晦日の汽車 と 新春オペラ |
Nr.71 | Silvesterdampf und Neujahrsoper |
■大晦日の汽車 2019年12月31日〜2020年01月01日 シュツットガルト
( Silvesternacht Dampfsondernzug , Stuttgart ) |
Süddeutsches Eisenbahnmuseum Heilbronn e.V.
( 南ドイツ ハイルブロン鉄道博物館) が主催した
Dampfsondernzug (蒸機特別列車)で、
Baden = Württemberg(バーデン=ヴュルテムベルク)
の Heilbronn から 州都の Stuttgart (シュツットガルト)
まで、大晦日から新年にかけて 街中で上がる花火見物に
出かける蒸気機関車牽引の特別列車が走った。
花火見物の特別列車は 何とKönig Wilhelm Viadukt ( ケーニッヒ ヴィルヘルム鉄橋)の上で停車させて、 花火を見ながら新年を迎えるのだ。鉄橋上に停車 させるとは、日本では考えられない。 Stuttgart の花火は町や観光協会などが主催するのでは なく、個人的に住民が盛り上がって上げているのも すざましい。汽車の向こう側や手前だけでなく、私が撮影 しているブドウ畑の背後でも上がりまくり、弩迫力だった。 この蒸機運転を 公式HPで知り(左写真)、撮影できそうな 場所をGoogle Earth や Open Street Map で探しておいた。 すると鉄橋から700mほど東に、ブドウ畑の広がる丘が 有ることが判った。距離が有るが、ここからなら鉄橋が 見えるだろう。ただドイツの場合はストリートビューが 表示されないので、地上レベルの眺めは判らない。ましてや 初めて訪れる場所、しかも深夜で真っ暗なブドウ畑の 中へライト片手に入り込んで行くのは、少々 勇気が 要った。 |
上写真;シュツットガルト中央駅のGleis 1(1番腺)へ入線した特別列車。頭端式ゆえ、行き止りである。 |
上写真;頭端式ゆえに、後尾に補機の蒸気機関車を付け、 そちらが先頭となって牽引していく。 駅に停車中には乗客の多くがホームに降りてきて、大賑わいだ。 |
上写真;本務機64型、後部補機50型で Stuttgart HBF を発車。 |
上写真;鉄橋上には50型が先頭で来た。Schormdorf で進行方向が変わったのだ。 |
上写真3枚;機関車を狙い撃ちするかの如く、花火が上がる。やがて煙で霞んできたのが残念だった。 |
■新春オペラ 2020年01月01日 フランクフルト歌劇場
( Neujahrsoper , Oper Frankfurt )
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲 歌劇【ドン・カルロ】 |
フランクフルト歌劇場で新年最初に演奏(上演)されたオペラは
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲の【ドン・カルロ】であった。
登場人物全てが嘆き苦しみ、誰ひとりとして幸せにならない、新年早々
暗ぁ〜い悲劇的な曲だ。ただ、内容とは異なり、ヴェルディの音楽は耳に
馴染み易い親しみあるメロディの連続だ。
フランクフルト歌劇場では何回も聴いているが、舞台装置(演出)が 読み替えられた、と云うか簡素化で派手さに欠けた上演が多かった。 例えばモ―ツァルトの【コジ・ファン・トゥッテ】も、ワーグナーの 【指環】でも時代背景無視の背広姿で出てきたりして、ガッカリだった。 しかし今回の舞台は時代考証は正確には判らないが、少なくとも中世的 な衣装に甲冑姿、そして宮殿風の装置などと意外にも正統的舞台で、 1560年代スペインのマドリードを彷彿とさせて好ましいものだった。 演出ではエリザベッタ(フランス王女、後にスペイン王妃)がフィリッポ 2世(スペイン王、ドン・カルロの父)との赤子を抱いて出てきていた のが強い印象を与えた。政略結婚でお互い愛し合わなくとも子が出来ている 不幸な姿を現していた。最後、ドン・カルロは先帝の亡霊に冥界に連れ去られる という演出ではなく、父フィリッポ2世の目の前で手兵に刺されて殺される のだが、こちらの方が分かり易い。 ドン・カルロがフランドル地方のプロテスタントに加担するのは、カトリック 系の父フィリッポ2世への、単なる反抗心だったのかもしれない。 父にとってこの息子は、不肖の息子だったわけだ。 歌手も合唱も、オーケストラも素晴らしかった。
《 BESETZUNG 》 |
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Last Updated 2020-01-05