撮影場所&日;長野県下伊那郡阿南町、伊豆神社、 平成18(2006)年1月14、15日 撮影機材; Nikon D70 +SIGMA10−20mm、 Nikon D70s+SIGMA18−50mm
新野の雪祭の「庭の儀」は、“田楽”だという。それを知った時、田楽という芸能ジャンルが存在しえたことに、大きな驚きがあった。なぜなら世阿弥による夢幻能の確立と、それに続く各地猿楽座の興隆に押されて、いつまでも曲芸の域を出なかった田楽は次第に衰退して消滅したと思っていたからである。
≪乱声について≫
≪茂登喜(もどき)について≫ |
《参考文献》 【能・狂言1】岩波講座:岩波書店 【能の歴史】小林責、増田正造:平凡社 【雅楽事典】音楽之友社 【雅楽入門】増本伎共子:音楽之友社 【日本の民族宗教】宮家準:講談社学術文庫 【日本芸能史六講】折口信夫:講談社学術文庫 【霜月神楽の祝祭学】井上隆弘:岩田書院 【祭りのふるさと あなん】阿南町教育委員会 ≪舞楽の「乱声」の聴けるCD・・・【雅楽/舞楽の世界】東京楽所:COCF-10888 、9≫ |
■ 神楽殿の儀(17:30〜20:30) | |
上左右写真、【ピンザサラの舞】、かまぼこ板のような薄い板片を繋いだ楽器で、しならせたり振ったりして音を鳴らします。曲の最後に、「大雪でございます。」と述べ、雪を豊穣の予祝としています。このことが“雪祭”の呼称の元となっています。 |
上写真三枚、【順の舞】、神降ろしに続いて舞うのですが、神懸かりの舞ではないかと思います。鈴と扇による、華麗な舞です。 |
■ 本殿の儀(23:00〜01:00) 神事が午後11時から午前0時頃まで続き、そして舞となります。
上右写真、【中啓の舞】、閉じた扇を採り物とした舞です。 |
■ 庭の儀(夜田楽・庭能)(01:30〜09:00) | ||
上写真中、松明立ては、氏子の消防団員が東西で牽引しつつ持ち上げる、緊張する行事です。 |
上左写真は、松明に点火するのにロープを張って宝船に火を点けて渡し、燃やします。 上右写真は、【乱声】、上記キャプションを御拝読下さい。 |
上写真、【幸法(さいほう)】、赤頭布に長い藁冠、五穀の入った玉を付け、手には松と田団扇を持って出ます。九回出入りを繰り返し、六回目には写真のように田楽楽人を従えて出ます。 |
上左写真、【幸法】、上右【茂登喜(もどき)】、もどきは、上記キャプションをご拝読下さい。 |
上写真【茂登喜(もどき)】 |
上左右写真、【競馬(きょうまん)】、馬に乗った騎手2名が、矢をいり天狗(鬼)が持つ木片に当てます。悪霊を退散させる呪術です。 |
上左右写真、【海道下り】、都から海道を下って、その村を祝福して社を祝う。折口氏は、遠くから来る来訪神であると述べられ、翁のもどきとも云われます。 |
上写真【天狗(鬼)】、花祭の榊鬼や坂部の鬼のように、禰宜との問答に敗れます。井上氏は、これは悪霊から守護霊への転生と述べられてます。 |
上写真【八幡】、駒を連れて現れ、その背中を撫でたり呪文を唱えたりしてから跨ります。田畑の害を押し鎮める意図ということです。 |
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Last Updated 2009-12-29