撮影場所&日;島根県浜田市上府・上府八幡宮、平成20(2008)年10月11日午後10時〜12日午前6時 撮影機材;Nikon D300+Tamron28-75mmF2.8、D80+SIGMA10−20mm 11日土曜日の午前中の仕事後に、石見神楽を拝観・撮影のため島根県浜田市上府まで行き、翌12日日曜日の夕刻に帰宅した。ここの鎮守社である上府八幡宮の秋祭りで、上府社中さんが12演目のお神楽を午後10時から翌朝6時まで延べ8時間、完全徹夜で次々と奉納された。石見神楽は1年半前に安芸高田市の囃し田を撮影に行った折に、温泉会館で大蛇を一曲拝見したのみで、本格的な神社奉納神楽は今回が始めてである。行く前には三遠南信の神事系、呪術系湯立神楽に親しんだ私に、煌びやかな装束のお神楽に馴染めるか不安であったが、行って良かったっ!病み付きになりそうな面白さである。三遠南の大部分の湯立神楽と異なり、ストーリーがしっかりしており、そこに舞が絡まっていくのだが、舞もお囃子も激しい激しい。例えば南信濃の『霜月まつり』の伊勢流湯立系神楽は、舞が湯立に従属し、湯立は祖霊や滅んだ武家へ怨念鎮めが目的であったりする。どうしても おどろおどろしい雰囲気があるのだが、石見神楽は対極にあるようなエンターテイメント性が認められた。そのお神楽の胸のすくような爽快さと勇壮さと劇性に圧倒されながら、眠くなる間も無く朝を迎えた。演目は神事系の祓い舞に始まり、呪術的な四剣、それ以降の10曲は物語性の神楽であった。物語は古事記・日本書紀に素材を求めたものだけでなく、能楽の影響を受けた曲も散見された(例えば、黒塚や大江山)。 演目は、下記の通りであった。 【塩祓】【四剣】【鹿島】【岩戸】【頼政】【塵輪】【天神】【恵比寿】【大江山】【黒塚】【鐘馗】【大蛇】 驚くのは、石見神楽というジャンルのお神楽が、人々に深く深く根付いていることである。境内で斎燈(焚き木)の番をされている方と話したら、一家全員が神楽をやるとか、寄ったガソリンスタンドの人が私も舞いますとか、驚くほど神楽が生活の一部のようなのである。それに徹夜の神楽なのに、1〜2歳の幼児が帰ろうとしないで明け方まで見ている姿にも感嘆した。きっと心底、石見神楽が好きで、将来は舞うようになるのだろう。地元の人達が寒い野外に毛布と椅子持参でお神楽を楽しむ様子は演劇を楽しむようでもあり、そのお神楽への接し方の違いもカルチャーショックであった。11日の夜には、浜田市内だけで六箇所でお神楽が行われていた。近隣の石見地方まで広げれば、無数のお神楽囃子が月夜に鳴り響いていたことだろう。それ程のお神楽文化圏なのである。 石見神楽、、、素晴らしい世界である。当地から浜田市まで、東名阪道・新名神・京滋バイパス・名神・中国・浜田道を往復して1141Km、、、徹夜明けの復路の運転は眠気で意識朦朧とするが、また行こうと思う。 |
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Last Updated 2009-12-29