日本!(お神楽・田楽)
No.31 芸北神楽(美土里町 横田神楽団)
撮影場所&日;広島県安芸高田市美土里町 東金広場、平成20(2008)年11月1〜2日『竜王祭』
撮影機材;Nikon D300+VR70-200mmF2.8G、D80+VR70-300mm

広島県西部の神楽のうち、太田川と江の川上流域の芸北地域で行われる神楽を、「芸北神楽」と称している。その中でも島根県邑智郡阿須那地方から現在の安芸高田市の高宮町・美土里町に伝わった神楽を「高田神楽」という。そして島根県邑智郡矢上村から山県郡に伝わった神楽を「山県神楽」と呼ぶ。今回撮影してきた横田神楽団は、場所的にも「高田神楽」であるが、戦後に従来の六調子・八調子を改良した新八調子または十調子という速いお囃子と舞いで新生したお神楽を、特に「新舞」と従来の「旧舞」と区別して呼ぶことがある。芸北神楽だけでも123もの神楽団が存在するという神楽処であるが、横田神楽団が存在する美土里町には13の神楽団がある。人口3,500人の町に13の神楽団とは、もの凄いことである。現在は人気の新舞が多く舞われているようだが、美土里町のお神楽の歴史は古い。残る記録でも元禄6(1693)年まで遡ることが出来るそうである。演目は石見神楽と同様だったと思われる。
現在の「新舞」のお神楽は、豪勢な装束に爽快なお囃子で、颯爽と旋回し舞う。その痛快なストーリー展開と舞に、多くの人を魅了してやまない。舞処を呪術的・重層的に祓いの場を構築していくお神楽とは異なる演劇的なお神楽は、「お神楽の世界」が広く深いことを私に再認識させると同時に、新舞の虜にもなってしまった。

■神降し
神祇舞。御幣の前で神を迎える舞を舞う。

■大和武尊
大和(日本)武尊の名前の由来に関するストーリー。九州筑紫地方の熊襲討伐に向かった皇子。女装して熊襲の宴会に侵入し、頃を見計らって討ちかかる。

■葛城山
都に騒乱を起こそうと企む葛城の山に住む土蜘蛛を討伐に向かう源頼光の四天王。古塚に潜む土蜘蛛との戦い。
(この夜、同曲は子供神楽によって舞われた)

■塵倫
仲哀天皇の御世、異国から我が国を侵略しようと襲ってくる妖怪との戦い。

■戻り橋
京の都は羅城門と戻り橋の辺り。この辺りに出没する怪しい老女。その正体は鬼の茨木童子、そして酒呑童子。その鬼の軍団を頼光の四天王が成敗に向かう。

■紅葉狩
紅葉狩に出かけた平維茂は、戸隠山の鬼女の話を聞き、成敗に向かう。これを事前に知った鬼女は、美しい姫に化けて平維茂を待ち受ける。美女(むろん男性の舞人)が一瞬で鬼の姿に変わるのは、見事な曲である。

■八岐大蛇
須佐之男命の、八岐大蛇退治。


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