日本!(お神楽・田楽)
No.39 湯立神楽
「湯立」の目的には、下記が考えられる。
1.神々への献湯。
2.神霊との交流による神憑り託宣。
3.死霊の鎮めと悪霊祓い。
4.湯を浴びて人々の清まり、禊祓い。
5.湯を浴びて神子となり、願を果たす(願ばたき)。
6.湯を神聖視。

古代の大和朝廷時代、巫女が神憑りをして託宣を行うにあたり、物事の正邪を占う意 味で熱湯を用いていたことがあった。いわゆる探湯(くがたち)である。この故事を 湯立神楽の起源に求める説があるが、1200〜1300年も前の故事に由来を求めるのは、 少々苦しいような気がする。

むしろ江戸時代、伊勢神宮外宮の御師の宿で神楽役が行っていた湯立の「伊勢流神 楽」、この影響が現在行われている湯立神楽には大きな痕跡を残しているのではある まいか。

湯立神楽の正統性は、里神楽だと南信濃の 霜月まつり等に伝わっていると思う。特 に霜月まつり では湯立の前に、舞が奉納される。湯立の湯を浄める舞であり、神々 を降臨させる舞であったり、あるいは入神する舞とも云えよう。その舞によって神憑 り、湯立を行うのである。そのような手順を踏んだ正統性のある湯立に比べて神社に おける巫女神楽では、手順の欠落や反転が見られる。つまり、舞無しでいきなり湯立 に入る場合や、湯立の後に舞を舞う場合などである。湯立のルーツに種々あるのかも しれないが、霜月まつりの湯立の正統性を見た後では、異質に思えてしまう。明治に なって「巫女禁断令」により、神憑りによって託宣を行うことが禁じられたことによ り、巫女による湯立の場合は湯立の前に憑霊する舞が欠落したのであろう。

上写真;意思を持ったかの如く、湯が舞う。

上写真;湯立神楽の後に舞われた、榊を採り物とした神楽。


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