日本!(花祭)
No.4 花祭(その4)・・・布川
撮影場所&日; 愛知県北設楽郡東栄町、布川
2005年3月5,6日

2004(平成16)年度東栄町花祭は終わった。
昨年11月13、14日の小林、御園を皮切りに、2005年3月5,6日の布川まで、東栄町内11集落で順に開催された。
河内と重なった足込のみ拝見できなかったが、他の10集落すべてを拝見することができた。
お神楽撮影一年目の本年の目標は、東栄町を中心に一集落でも多くの花祭を拝見して、その雰囲気をつかむことでした。
神庭とか呼ぶ一種の神楽殿方式のお神楽に比べて、舞の場と見物場が仕切りも無く舞子と見物人が渾然一体となって入り乱れる花祭は、最初の頃はどのように写そうか、戸惑うばかりでした。しかし回数を重ねるごとに「今回のテーマ」をイメージして撮影に臨めるようになったのは、収穫だと思ってます。
花宿に来場した人が共通して口にする感想は、神仏や陰陽道に外来の神々が混在した世界が、現実に現代でも存在する驚きです。
もっとも、神仏が分かれたのは明治新政府の“政策”でして、古来日本人は神仏混淆の宗教観の中に居ましたし、現代の人々でさえ同じ様なことがいえるのではないかと思います。
自然それ自体と、自然の恵みへの感謝と危害への畏れ、それらの超越的力に神々を感じ、陰陽道の法則で日々暮らし、そして仏の法力に救済される、、、。これらが仮現している世界が「お神楽」でありまして、分類では伊勢流湯立霜月神楽に属する花祭もそうです。
自然の息吹に神々のみならず、山の深淵の異界の住人たる諸霊、悪鬼、天狗、眷属に妖怪の類の“まれびと”と交流するがごとく、周囲の山々の静寂の中でスポット的に熱狂の坩堝たる花宿に身を置く体験は、得がたいものでした。
舞台となる花宿を一歩出ると、10m先が見えないような重い乳白色の霧に支配された世界、嵐で折れた小枝が乱舞する暴風雨の夜、星明りのみの漆黒の闇そして夕陽に黄金色に輝く山々など、、、これらの自然も広義の花宿なんでしょう。
北設楽の自然を広義の「花宿」とするなら、その花宿も写すことは大切だと今になって思ってます。

今回の布川花祭では花宿内部で一夜、舞子と同じ様に体を動かし熱狂する“せいと衆(見物人)”を、積極的に動態ブレ(動いてブレた写真)させて写し込んでいくことを狙いました。
ただ、ブレた写真ばかりUPしましても変化に乏しいですから、ブレた写真は一部にとどめて布川を更新しましたので、どうぞ御高覧下さい。

東栄町の他の花祭は、「その1〜3」として別にUPしてありますので、どうぞ写真とキャプションを御高覧下さい。


【湯蓋】

【竃祓(神事)】


【竃祓(神事)】


【花之舞・千早】

【榊鬼・榊と鈴】


【一力花】

【せいと衆(見物人)】


【花之舞での、せいと衆】


【山見鬼と伴鬼】

【榊鬼の鉞】


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Last Updated  2010-01-01