現在、岐阜県揖斐郡揖斐川町春日地区では、上ヶ流・下ヶ流・春日、種本中瀬そして寺本の五地区で太鼓踊りが行われている。狭い地区に五箇所もの太鼓踊りが伝承されていること自体が不思議であるのに、その中のバリエーションも種々だから驚きである。踊りの輪の中心で「ザイ」と呼ぶ布がついた依代を持って踊る上ヶ流・下ヶ流。「ボンデン」と呼ぶ「ザイ」に似た物を中心に踊る春日。そして今回UPした寺本と種本中瀬では、「バンバラ」とよぶシナイを背負う踊子を中心に踊る。「バンバラ」をしならせて時々地面すれすれまで下げる所作は、ちょうど寒水の掛踊り のような所作である。近隣の地区に似ず、数十キロも離れた明宝町に類似があるとは、太鼓踊りの伝播や発生ルーツが誠に不思議である。この「バンバラ」は、大きくしなるように揺らし踊るにはテクニックが必要だが、バンバラ作りにも工夫があるそうだ。土台となる竹には良いものを選んで、よくしなるように工夫して削ってあるという。隠れたところにも、その太鼓踊りのためのマイスターが居るということだから、そちらの伝承も課題であろう。 |
■ 寺本太鼓踊り
撮影場所&日;岐阜県揖斐郡揖斐川町春日、寺本六社神社、平成19(2007)年11月4日 |
■ 種本中瀬太鼓踊り
撮影場所&日;岐阜県揖斐郡揖斐川町春日、中郷熊野神社、平成19(2007)年11月11日 |
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Last Updated 2010-01-01