撮影場所&日;三重県志摩市大王町波切、平成23(2011)年8月14日 大王町波切という人口約9,000人の町で、厳粛なお盆の行事が行われる。 通称「波切の大念仏」と云われるが、この一年間に亡くなった新盆の霊を慰撫鎮魂する供養の儀式である。 遺族は和傘の周囲に巾40Cmほどの布を垂らして、そこに和紙に新盆の屋号・俗名・戒名に没年月日を記して貼る。そして内部には、故人が使われていた日用品をぶら下げる。これを「傘ぶく」といい、さらに幟に戒名などを書いて持つ。この幟は「ガチャガチャ」という幟をぶつけ合って破る儀式まで持つ。破ることで新盆の俗世との縁を完全に切るという意味であろう。その後は、この「傘ぶく」を遺族や知人友人が代わりばんこに持って、中央に櫓があってそこで太鼓と鉦で囃す周囲をゆっくりと周る。一周が約300mくらいだろうか。順番に新盆の名前が呼び上げられるのだが、午後4時半から2時間ほど、この儀式が続く。海からの風がそよぐ中、本年は計71名の故人の供養が厳かに行われた。風流味を排した儀式に、身の引き締まる思いであった。 |
上写真;戒名などが書かれた幟をぶつけ合って、破る。「ガチャガチャ」という儀式。 |
上写真;祭壇の前では、御焼香の列ができていた。 |
上写真;「傘ぶく」の中には数珠や提灯だけでなく、故人が使っていた日用品などが下げられている。 |
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Last Updated 2011-08-25