撮影場所&日;新潟県糸魚川市 天津神社、平成18(2006)年4月11日 撮影機材;Nikon D70 &D70s、AF24−120mmF3.5-5.6 &80−200mmF2.8 |
天津神社(御祭神は、アマツヒコヒコホニニギノミコト)の舞楽には12曲が伝わり、
毎年4月10日と11日の二回奉納されてます。10日は通称「けんか祭り」と云って、押
上と寺町の二基の神輿が激突して勝負をして豊穣と大漁を占う祭りがあり、舞楽も舞
われます。が、11日は舞楽の奉納だけとなります。私は都合上、11日の舞楽の日に行きました。10日の夜に天津神社の社務所に問い合わせしたところ、雨で舞楽の半分が中止になったとのこと、、。11日の天気予報では、曇りのち雨。ともかく運を天に任せて、大雨の自宅を午前6時40分に出発しました。舞楽の奏される時間は午後1時から午後5時半ですから、東名、中央道、長野道、上信越道と北陸道を使えば、名古屋と糸魚川の往復しても800Kmで、十分に日帰りで撮影が可能です。 午前11時、神社横の市民会館駐車場に着きましたが、まだ神社駐車場に余裕がありましたから、そちらに駐車しました。境内に焼き鳥の屋台は出てますが他に周辺にも食堂は無く、途中のコンビニで万が一に買ったオニギリを食べて開始を待ちました。 午後1時、定刻に法螺貝が鳴ると、強風の中で【振鉾】が始まりました。童の大きな天冠が風で落ちないか心配でした、、。【振鉾】は約20分、しっかりと舞われましたが、その後の曲は雨が降る前に終わらせようと部分的に短縮されて舞われました。やがて【太平楽】の頃から雨が降り始め、一時中断しましたが、再開を期待する大きな拍手が参拝者・見物人から起こると、なんと番傘をさして舞が再開されました。それはまるで夢のように美しい情景でした。 演目は三方楽所の舞楽と同一名の曲や、天津神社独自の曲が混在して、この地方で独自の発展をした経過がうかがい知れます。【納曽利】も二人で舞う双竜舞で丁寧ですが、それが【蘭陵王】のように剣印で舞うのはご愛嬌かもしれません。【蘭陵王】の面には鎌倉時代の作の面が伝わっており、しかも切顎の立派な造りで、この地に伝来した舞楽が都でも確立した時期に完全な形で伝わった痕跡かもしれません。天王寺楽所由来(※)とも云われますが、【蘭陵王】の舞いでも三方楽所舞楽の【陵王乱序】の部分だけをディフォルメされた舞ぶりでしたし、伝来の詳細は不明でしょう。 ともあれ雨中でも最後まで美しい舞を拝見できたことは大きな喜びと感動で、帰路につきました。 |
《参考文献》 (※)『日本の伝統芸能』P.158、本田安次;錦正社 『日本の祭りNo.23』朝日新聞社 |
【振鉾】 |
【鶏冠】 |
上左【抜頭】、上右【能抜頭】 |
【華籠(けこ)】 |
【太平楽】 |
上左【太平楽】、上右【蘭陵王】 |
【蘭陵王】 |
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Last Updated 2010-01-01