■ 海山道稲荷神社 狐の嫁入り神事
撮影場所&日;三重県四日市市、平成19(2007)年2月3日
神使の福徳家の娘狐福子が、神使の総本家助四郎家の小狐助太郎のもとにお嫁入りするという設定の神事。 |
《参考文献》 【日本の呪い】小松和彦;光文社 【すぐわかる日本の神々】鎌田東二監修;東京美術 【加持祈祷の本】(ブックスエソテリカ35);学研 |
上写真、豆まき・・・家電製品が当たる福引も入っているから、参拝者も目の色が変わる |
■ 飛鳥坐神社 おんだ祭
撮影場所&日;奈良県明日香村、平成19(2007)年2月4日
二月の第一日曜日に、おんだ祭が斎行されるが、字の如く『御田祭』という御田植え神事である。14時から神饌供饌に祝詞奏上などがあり、御田植え神事の演目が始まるのは14時半頃である。具象的な御田植えの動作を神楽殿で行なう第一部、間に浦安之舞が挟まって、第二部において有名なシーンの和合が行なわれる。間に皇紀2600年記念の巫女舞の「浦安の舞」が挟まれるが、むろん第一部も二部の一連の続きの予祝行事である。予祝とは、収穫までの無事な生長を願いかつ予測してお祝いすることである。神前において予祝行事を行なうことは、御祭神にかくありたいという祈願をすることである。では夫婦の和合シーンは、いかなることかというと、一種の感染呪術・類感呪術ともいえる。「感染呪術」とは、一度相互に関係を持ったものは常にその関係を有し、一方に何らかの変化が生じると、他方も同様の影響を被るという関係を呪術に用いるもとである。そして「類感呪術」とは、類似は類似を呼ぶという関係を呪術に用いることである。夫婦の和合を演じることは、子を孕むという神秘性に穀霊が反応して結実するといことを期待している訳で、究極の目的は子孫繁栄だけでなく農作物の豊穣であろう。感染呪術・類感呪術を分けて考えるのは難しそうだが、神楽殿で和合シーンや田植えシーンを演じることは類感呪術であり、和合シーンの後の処理に局部を拭いた紙を拭くの紙(福の神)として授与するのは、授かった人への感染呪術であろうか。一般的な御田植え祭において、孕む状態になる感染呪術のアニミズムが早乙女を登場させるとも云われる。何時のころからの神事であるか不明のようであるが、少なくとも和合とその結果の孕むという因果関係が理解されるようになってからの祭りであろう。男根のような採り物を扱う演目があるが、類似の演目は三河地方の伝統芸能で拝見したことがある。全国的に同じ様な伝統芸能が分布してても不思議ではない。なお、私がこれまでに見てきた里神楽では、高千穂神楽において和合シーンがあった。 |
《参考文献》 【呪術の本】(ブックスエソテリカ30);学研 【宮崎の神楽】山口保明;みやざき文庫 |
上左右写真;浦安之舞 |
上左写真;種蒔、 上右写真;代掻き(サボる牛) |
上左写真;汁かけ 、上右写真;鼻つきめし |
上写真三枚;種つけ 翁面は仲人。和合シーンを参拝者に隠して笑わせたり、しっかり和合できるように押さえつけたりする。 拭くの紙(福の神)を、、、。 この後、参拝者が奪い合うように求める。 |
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Last Updated 2010-06-10