■撮影場所&日; 奈良県桜井市多武峰 談山神社、 平成24(2012)年10月14日 |
蒸気機関車ファンを公言しながら 肝心な 10月14日「鉄道の日」 に、おまつりに浮気だ。
「百味の御食」と称される特殊御神饌を拝するのを以前から楽しみにしていた、 おまつり である。
場所は奈良県桜井市多武峰の談山神社さん、祭典名は嘉吉祭である。 この談山神社は藤原鎌足公の改葬地に建立された、妙楽寺を前身とする。永享10(1438)年、 「大和永享の乱」で全山焼失したさい、御祭神の鎌足神像が奈良・橘寺に遷された。3年後の 嘉吉元年に修復がなった機会に神像が還御された。その時に郷中の人たちがお祝いしたのが 祭りの始まりと云われる。 現在では妙楽寺は明治の神仏分離によって談山神社と名を変え、嘉吉祭が続行継承されている。 名前の由来である「百味」とは、明治以前には百以上の季節の山海の幸によって献供されてきた 御神饌の数によっている。今では33と数は少なくなっているが、誠に美しい美術工芸品的に 見事な御神饌が調製されている。多武峰の集落は12軒で、その家から本当屋・前後当屋が選出され るが、今では社務所で調製されるので、当屋における負担は少なくなっている。 御神饌は一週間前から調製が始まり、当日の朝に和稲(にぎしね)御供や果物盛御供の先端の 串状のてっぺんに、早朝に採れた唐辛子・小かぶら・小茄子などを刺していく。 早朝に御供の準備が完了すると、権殿に運ばれる。祭典が始まって献饌となると、氏子さんが十数人 権殿から本殿へ手渡しリレーで約120mの距離を献じていく。 祭典自体は神社本庁の祭式次第に順じていたが、御幣を「おんべ振り」と称して宮司さんが 本殿御簾前で振られるのが特色あった。 |
上写真2枚; 早朝、氏子さんが調製の仕上げをされていく。 |
上写真5枚; (和稲) 米を貼り付けた4台の筒を、和稲という。 その本体部分には、燐紋様・卍文様・菱形文様・神社文字の四種がある。 詳細に見るとその本体部分は、粒粒が認められる。じつはこれ、彩色した米粒が貼り付けて 形成されているのである。芯棒は高さ15センチ、直径4〜5センチの円形和紙にもち米粉 と水を混ぜて練り上げた糊を塗り、そこに彩色された米粒を貼り付けていく。一段が約40〜45粒で 全部で50段で文様を描いていく。単純計算で2000粒以上の米粒が貼り付いていることになる。 ベテランの氏子さんでも、一本に数日かかるという。てっぺんの野菜は、祭典の早朝に採れた野菜を刺していく。
(荒稲)
(飯御供)
(倉餅)
(果物盛御供) |
上写真10枚; 修祓〜献饌〜御幣振り〜撤饌 祭典は通常の祭式次第にのっとって斎行された。 |
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Last Updated 2012-11-26