■ 三重県度会郡南伊勢町東宮、 平成27(2015)年6月撮影 これまで南伊勢町の浅間祭は方座浦、古和浦、贄浦などを撮影UPしてきた。いずれも浜辺の集落で浅間山は漁業で出かけた漁船からも目印になって見える山であった。それゆえ浅間祭は富士信仰という山岳信仰でありながら、南伊勢町では海の信仰と思っていた。祈願も海上安全や豊漁祈願であったからだ。 東宮も国道206号線を走っていると、海岸と山に挟まれた漁労の集落と思っていた。しかし浅間山は海からは内陸にかなり入った場所に有り、しかも集落から登山道への間隙には田畑が広がっており、驚いた。ここ東宮は漁労の集落ではなく、農耕の集落ということである。ゆえに祈願も五穀豊穣である。富士浅間信仰とは云え、場所によって祈願が違うのは分かるが、それよりも南伊勢町において農耕集落の存在を知ったことの方が驚いた。 富士浅間信仰は静岡県の富士山本宮浅間大社における「村山修験」と、山梨県の北口本宮富士浅間神社における「富士講」を軸として広がって行った。後者の「富士講」では主祭神の木花開耶媛命(このはなさくやひめのみこと)は浅間大菩薩であり、本地は大日如来あるいは千手観音菩薩だとされた。東宮の浅間山頂上のお宮さんのお社内には大日如来の石塔がお祀りされており、富士講の本質も正統に伝承されていると感動した。鳥居内において数珠を手に神社様式の祠内部の大日如来を拝む、まさに神仏混淆の世界が生きていた。 東宮の皆様には大変お世話になりまして、どうもありがとうございました。 |
上写真2枚;水垢離所において、奉納者の名前を読み上げながら清め祓いする祭員。 |
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上右;浄衣には大峰山など熊野の朱印が捺されていた。 |
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Last Updated 2016-05-23