日本!(オコナイ)
No.29 高山町 高山
撮影場所&日;滋賀県長浜市高山、平成22(2010)年2月14日

「高山のオコナイ」の拝観・撮影をしてきた。御神饌の調製は11日にできており、本日(ほんび)には午前11時半に頭屋さんを出発して高山神社への社参である。高山集落は草野川の最上流に位置する集落であり、かつては薪炭や養蚕が盛んであったが、その後には杉や檜の植林、そして現在では近畿方面へのベットタウンという感じである。北陸線の虎姫駅まで車で約20分という距離ながら、若干の積雪も残って、琵琶湖湖畔の町とは気温の違いがある。オコナイはオウジサンと呼ばれる高山神社(若一王子)の神事講である。オコナイは、曲谷組・千石谷組・北出組・西出組・前田組の五組が順番に担当されている。本年は北出組が中心で、御神饌などを調製される。その御神饌の御鏡餅は外注となっている。更に簡略化されており、残念な点があった。それは御鏡餅をエビ(注連縄)の上に置き、社参時は若役が背負って行くのだが、その両方が無くなっていた。直径30Cmほどの御鏡餅は、三宝に乗せられて運ばれた。かつて、エビ(注連縄)の上の御鏡餅の上には灯明が置かれていたらしいが、それはまさにドグロを巻いて目を光らせた蛇の造形であったのに。背負うことで蛇と同体化する社参は、高山のオコナイのハイライトであったはずだ。ただ、ミサオと呼ばれる餅花が健在であったのが幸いであった。これは束ねた菖蒲の間に竹で串を切り抜き、そこに角餅を三個づつ挿す。そして先端には黒豆を刺しておく。これは高山神社で社参後に、参拝者に下げ渡される。社参行列は、露払い・御神酒・御幣・御鏡餅・花・鐘・笛・太鼓そしてその後方を簡単な御膳をご婦人が持って社参された。20年前の書籍(※)を見ると、直会にご婦人が参加されるようになったのは最近、との記載が見られる。この20年の間に、更に簡略化と禁忌事項の緩和で、ご婦人も社参に参加されるようになったのだろう。
(※)【北近江のオコナイ】長浜城歴史博物館刊
■高山の皆様にはお世話になりまして、どうもありがとうございました。

上写真;露祓いを先頭に、残雪の高山を社参行列がいく。

上左右写真;高山神社にて。奉納されるミサオ。


トップページ 日本! (お神楽・田楽) 日本! (花祭) 日本! (雅楽・舞楽、能楽) 日本! 日本! (南北朝)
日本! (念仏・風流) 日本! (真清田神社) 日本! (オコナイ) 日本! (近江の祭・火祭) 日本! (山鹿灯籠まつり) 日本! (復活 蒸気機関車)
日本! (真野恵里菜) 中国の蒸気機関車 たけやま3.5 越天楽(Blog) 日本! (ヴァイオリニスト 谷口沙和さん)
ドイツ語圏(鉄道) ドイツ語圏(音楽・観光) ミャンマー 作者・写真集 掲示板 作者へメール

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

広告ポリシー
Last Updated  2011-01-12