撮影場所&日;滋賀県長浜市余呉町摺墨、平成23(2011)年1月3日 |
前年大晦日に降った積雪が残る摺墨の集落で、新年3日にオコナイが行われた。 オコナイの社参風景に、雪は本当に似合い美しい、、、そんな感動的なオコナイであった。 今回拝観させて頂いた摺墨のオコナイは、3つの特記すべき点があると思った。 第一点として、本年の当屋さんが往路においてオコナイの継承の象徴であるオカワを、首からかけて行かれるのである。そして神社拝殿での当屋の引継ぎ式の後の復路、今度は次年度の当屋さんがオカワを首から掛けて自宅へ戻られるのである。オカワは本来、御鏡餅を付形する台枠であるが、御鏡が神聖視される過程で、その御鏡餅を毎年包み込む枠であるオカワ自体が御神体同等の神威を持つようになるのである。そのオカワを首から掛けることは、当屋さんが聖域に踏み込んだ神聖な存在まで高まっていくことを意味している。そのことは現在でも当屋を受けた人は、四足の動物を食べないようにするという禁忌事項が守られているのことでも明らかである。 第二点として、拝殿で行われる牛玉宝印を御鏡餅と、氏子斎員の額に捺すということが挙げられる。神仏の神威によるパワーを注入する作法が牛玉宝印であり、捺されることで血盟の結束の証ともなるのである。 第三点として、社参前に千本搗きで御鏡餅をつきあげることである。御餅搗きには、音頭を歌いながら行われる。ただ残念な点は、10年くらい前までは社参の際に御鏡餅は、背負い縄で背負って献鏡していたのが、現在では四人で御輿のように担いで行く点である。 ただそれでも着物姿で御鏡搗きから社参までされる姿は威厳に満ちており、美しいオコナイの景色であった。 ※摺墨の皆様には大変御世話になりまして、御礼申し上げます。 |
上写真;千本搗きで御鏡餅を搗きあげる。 |
上写真;社参前の御祓い。 |
上写真3枚;雪を踏みしめ、献鏡行列が行く。 |
上左右写真;水上神社での祭典と、当屋の引継ぎ式。 |
上写真3枚;御鏡餅と氏子の額に牛玉宝印を捺して、神仏のパワーを注入する。 |
上左右写真;次の当屋さんが復路、オカワを首に掛けて自宅へ帰る。 |
上左写真;次の当屋さん宅では、オカワを一年間、来年のオコナイの日までお祀りする。神主さんが御祓いをされる。 上右写真;御鏡開きは、糸を用いておこなう。 |
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Last Updated 2011-01-27