滋賀県長浜市保多町、 平成24(2012)年1月撮影 冬枯れの季節、長浜の町に美しい花が咲いた。餅花という華である。保多町のオコナイでは、早朝にお餅搗きを行い、御鏡餅と餅花を拵える。餅花は柳の枝に搗き上がったばかりの、お餅を巻きつけていく。そして色とりどりの短冊で飾り付けて仕上げる。 この餅花、「マイダマ」とか「マユダマ」とか呼び方があるが、保多町では「マユダマ」である。地元の人に伺うと、ここの学校の南側には以前は桑畑が広がっていたという。地面の耕土が浅いから、お米ではなく桑畑にしていたのだという。現在でこそ桑による養蚕でマユダマの実物を目にすることはないが、その片鱗は鎮守のお社に知ることができる。鎮守の神様は八幡神社であるが、そこには養蚕の神様も合祀されている。養蚕神社といい、養蚕が盛んであったころに彦根のある神社から勧請されたという。 マユダマが出来上がると、今度は神社や鳥居の注連縄を作る縄仕事である。今まで藁仕事で注連縄を編むのは撮影しているだけであったが、今回少しさせて頂いた。藁を二束に分けて手のひらで回転させながらひねり、編み上げていく。この手のひらで回転させるということが、出来ない。コツがあるのだが、むろん見て直ぐに出来るほど容易いものではない。注連縄は、地元の人達が精魂込めて作り上げていく。その作業を拝見していると昨年来、たびたび出る言葉の“絆”という字が浮かんでくる。注連縄を編むという作業は、保多町の皆さんが絆を編み上げているのだと、その様子から感じた。連綿と続く絆、それこそがオコナイの意義であろう。 ※ 保多町の皆様には親切にして頂きまして、感謝申し上げます。 |
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上写真左右;注連縄作りと、注連縄をかける。 |
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上写真左右;拝殿にマユダマをお供えし、祭典。次期 宮当番さん2名をクジで選出する。 |
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Last Updated 2012-03-02