滋賀県長浜市(びわ町)八木浜、平成27年2月 撮影 |
八木浜では今でも本日を15日と決め、平日に当たってもその日に行われていらっしゃる。
社参を拝見させて頂いただけだが、二点の特色が認められた。造花の存在と、木組みの輿に御鏡餅を収めて担がれる点である。 オコナイの造花は、これまで撮影してきた集落では、木之本町の杉野中・杉本・金居原・木之本の4か所で認めた。いずれも冬の積雪の多い地区である。雪の中を色とりどりの花を持たれて社参される姿からは、春を待つ人々の願いが伝わってきたものだ。が、今回の八木浜は琵琶湖湖畔であり、造花を献じられるのが稀な地域である。琵琶湖湖畔の平野部では稲作が盛んで、切り紙による造花は御餅を用いた「米玉(まいだま)」という稲作イメージのスタイルに変化したからである。あるいは蚕の関連で「まゆ玉」というカイコのイメージに変化した場合も多々見受けられる。なれどそれらは本来の仏教寺院内を荘厳する花の変形である(現在では神社で行われるオコナイも多い)。八木浜では造花のままで変化していないのが、興味深い。 そもそも寺院内を花で荘厳するのは、春や豊作の予祝という意味ではないだろう。花は極楽浄土の姿であろう。死後の世界の予祝も意味に含まれているのではないか、最近はそのように思っている。 もう一点、輿で御鏡餅を担ぐ姿が川道に似ている。川道と地域的あるいは血縁的に関係が有ったのであろう。 (八木浜の皆様、どうもありがとうございました) |
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上;拝殿に御鏡餅と花が収められると、引き継ぎ式が行われた。 |
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Last Updated 2015-02-22