■ 滋賀県長浜市木之本町黒田、 平成28(2016)年2月 撮影
黒田のオコナイは6つの組によって構成されている。栄組・繁組・幣組・榊組・豊組・潔組である。 それぞれの組の名前をとって、例えば「栄神事」と呼んでいる。同じように黒田神社の氏子であるながら それぞれの組内によって決め事などが行われていた名残から、独立した神事の集合体としての黒田のオコナイである。よって各組によって献塔される御鏡餅が調整されて、6組の御鏡餅が拝殿に勢ぞろいしてから祭典が行われる。御鏡餅の拝殿前の並び順は、今日では本日(ほんび)の前日に抽選される。それぞれの組内においてどのように神事を執行するか決められるので、6組の内の半数の組では外注されたり、公民館で直会をされたり、そして平服であったりと、まちまちである。拝見させて頂いた栄組は、黒田のオコナイで最も伝統を受け継いだ組であった。玉籤によって塔家が決まり自宅で御餅搗きもされ、そして和服で威厳ある御姿であった。何より驚いたのは、「祭事執行要領」によって記載された通り、きちんきちんと時間通り進められ、規律正しい様式が美しかったことである。玉籤によって時期塔屋さんに選ばれた方と現塔屋さんの塔渡しの儀においては、着座の左右も決まっている。このような規律や作法が、武家でなく農村集落の中でおそらく確立したのは江戸時代であろうが、連綿と受け継がれてきたことは素晴らしい。伝黒田官兵衛出身地と云われるだけあって、集落内での自治などかなりしっかりした土地柄であったのだろう。 黒田の皆様、特にお邪魔させて頂きました栄組の皆様に感謝申し上げます。 |
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上写真;献塔出立。黒田神社への社参である。 |
上写真;黒田神社拝殿に並んだ6組の御鏡餅と祭典。 |
上写真;塔家に戻って、次期塔主を決める玉籤の儀。 |
上写真;現そして時期塔主が並んで杯を拝する引き継ぎの、塔渡しの儀。 |
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Last Updated 2016-10-17