■ 滋賀県長浜市、 平成28(2016)年10月15日
今年の「第32回 きもの大園遊会」には、長浜市出身の武将 石田三成公を今年のNHK大河ドラマ『真田丸』で演じた 山本耕史氏がスペシャルゲストとして登壇され、トークショーや大抽選会への参加で会場を盛り上げられた。 昨年の「第31回 きもの大園遊会」の UP でも記したように、長浜縮緬(通称、はまちりめん)は長浜の地場産業であり日本有数の生産地である。再度、その経緯を簡単に下記しておく。 その歴史は長い。元々、織物に秀でた土地だったようで朝廷への宮廷衣料製織の御下命を受けたりしていたようである。時代は江戸時代、彦根藩下にあった高時川流域では度重なる氾濫、水害で年貢米にも窮していたという。そこで土地の識者が縮緬を興すために、この地方で盛んだった養蚕を用いた技術を京都の西陣から導入した。やがて西陣との軋轢から京への持ち込みを禁じられるなど障害が有ったそうであるが、それを乗り越えて発展していったのである。 長浜は京、北陸や東国への交通の要所という地の利だけでなく、風土とくに軟水を用い、糸質の選択による撚糸法、精錬加工、製織技術など独自の持ち味があり、今でも広く愛されているのだという。上記したように、長浜地域での縮緬産業は江戸時代になってからであり、三成没から時間の経過した後のことである。しかしその縮緬を支えたのは、この地域で当時は盛んであった養蚕である。この地域に現在も新年明けの民俗行事として残る「オコナイ」では、樹枝に御餅を付けた マユ玉なるものが奉納され、養蚕の名残をみることができる。 石田三成公出身の石田町において現在もオコナイが行われており、おそらく幼少期の石田三成もオコナイの様子を見聞きしたであろうことは間違いない。「オコナイ」は平安時代の仏教行事が発端となり、湖北では浅井氏の頃に行われていた記録が有ることから、石田三成幼少時に「オコナイ」がされていたことは確実である。よって(強引だが)、山本耕史氏→石田三成→オコナイ→養蚕→縮緬→きもの→大園遊会→山本耕史氏 ってサークルが完結する(汗)。 平成28年度の「きもの大園遊会」の10月15日は、地元氏神様であり「きもの大園遊会」のスタート場所である長浜八幡宮さんの、秋季例祭も斎行されていた。12日に御旅所へ渡御された御神輿が、午後8時45分頃に還御されてきた。長浜七郷(神前町、北門前町、三矢町、高田(北・南)、列見町、八幡中山、八幡東)の高張り提灯が並ぶ中、御神輿が還御される様は神々しい時間であった。この七郷も、かつては養蚕で縮緬を支えた集落が有ったであろうと推測している。 なお、着物姿の女性は全て UP の許可を頂いてますこと、お断りいたします。 快諾頂きまして感謝申し上げます。 |
上写真3枚;大通寺におけるイベントにて、山本耕史氏。トークショーでは、大河ドラマ出演を通じて長浜と縁ができた喜びなどを語られていた。気取らない気さくな方で、拙者も以前にもましてファンになった。 |
上写真2枚;長浜八幡宮 |
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上写真2枚;御坊表参道 |
上写真3枚;黒壁 |
上写真;園遊会も終わり、帰路につく。JR長浜駅 |
■ 長浜八幡宮 秋季例祭 神輿還御祭 (10月15日) |
上写真;奉納薪能【小鍛冶】(シテ;古橋正邦師) 写真は後シテ(稲荷明神)の舞。 |
上写真;御神輿還御である。 |
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Last Updated 2016-10-17