■ どじょう
撮影場所&日;滋賀県甲賀市甲南町下馬杉、平成22(2010)年 3月28日
近江の祭礼では、各種の淡水魚をお供えする祭礼があるが、生きた鰌(どじょう)を御神饌としてお供えするのは、数少ないであろう。奉拝・撮影してきた祭典は滋賀県甲賀市甲南町下馬杉の嶋(島)神社、春の例祭である。祭典自体は神道の式次第に準ずるが、上記したように御神饌に特徴がある。今日は、その御神饌を拝し撮影したく、行ってきた。添付写真は、主だった特色ある御神饌が撤下された直後に三宝に乗っている状態で撮影させて頂いた。左下添付写真の右側から鰌、山椒。左の三宝に味噌、ニラ、ニンニクである。地元の人から、御祭神が女性だから精が付く様に、と冗談で言われたが、実際に匂いが強い食品が御神饌に並んでいるのが驚きである。(ちなみに御祭神は市杵嶋姫命である)なぜこれらの御神饌なのか? は地元でも不明とのことである。鰌も栗東市大橋の三輪神社「鰌取り神事」でのように、なれ鮨になって供される場合は撮影したことがあるが、生きたままは初見である。三輪神社では鮨になっているから撤下後には直会で食べるが、ここでは直会で食べることはない。昔は貴重なタンパク源であったこともあろうが、これから稲が植えられる田に住まう鰌が、山ノ神から田ノ神の時期へのターニングポイントの象徴となっているのかもしれない。御祭神は水の神様の神格であるが、その神様に身近な淡水魚の鰌を奉げたのかもしれない。いづれも推測しか出来ないが。
馬杉の皆様、どうもありがとうございました。
関連HP 三輪神社「鰌取り神事」
|