撮影場所&日;熊本県山鹿市、平成20(2008)&21(2009)年8月15日 撮影機材;Nikon D300+VR70−200mmF2.8G ピンク色の浴衣姿の踊手さんは保存会の皆様である。保存会の皆様は、今では夏の九州を代表する祭りとなった山鹿灯籠踊りの保存伝承に努められる中核集団であられる。祭りの初日、保存会の皆さんは大宮神社での18時半から約30分間の奉納踊り後、山鹿のメインストリートを 「おまつり広場」 とした場所へ繰り出して、踊りを披露される(町踊 り)。大宮神社での奉納時は、まだ明るいから頭上の灯籠に灯は燈っていない。が、一回目の町踊り の頃には暗くなり、頭上の灯籠に燈がともる。灯籠がユラユラと揺れて踊りな がらゆったり進む踊りは、まことに妖艶である。町踊りは保存会の皆さんは午後11時まで、三回街中で踊られる。 灯籠踊りとは別に、灯籠を大宮神社に奉納する行事が祭典としてある。この祀りの起源には景行天皇の行幸に由来する説や、健磐竜命(神武天皇の孫神)の亀退治で亀の霊を慰める説などがある。いづれも神話的世界の由来であるが、現実味のある説もある。文明5(1473)年に町の唯一の温泉が枯れたときに、金剛乗寺の住職宥明法印が温泉復活祈願をした。するとコンコンと湯が湧き出て、住職は温泉復活の恩人となった。よって町の民が追善供養に灯籠を奉納するようになったのが、第三の説である。 このような灯籠の祭典に付随する形の踊りが現在のように女性の頭上に灯籠を載せて踊るようになったのは、昭和29(1954)年頃からと、まだ最近のことである。 《参考資料》山鹿市限定情報誌「ちゃあがり」第9号(2008.7) |
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Last Updated 2010-01-01