「オコナイ」とは近畿地方はじめ西日本各地にみられるが、特に滋賀県の湖北地方と甲賀地方に高い密度を示す、1〜3月に民間で行われる「民俗宗教行事」である。「オコナイ」とは漢字で「行」「御構内」または「神事」と書いて「オコナイ」と読ませる場合がある。元々この地方に有った祖霊祭・魂祭や豊穣予祝が後に修正会・修二会に取り込まれて、仏教悔過(けか)のようになったのがオコナイである。この「オコナイ」、湖北地方だけでも150は有ると云われるが、各集落で独自に改良発展したため同一スタイルで行うことは全く無く、集落ごとに違っている。ただ、平成20(2008)年1月から撮影を始めたばかりなのに、餅花(マイダマ)を出すのは今年が最後という声を聞く(石田町北組)など、年々オコナイの簡略化が進んでいるようである。各地の民俗伝統芸能と同じように、「オコナイ」の伝承も予断を許さない状況のようだ。「オコナイ」は1〜3月の期間限定だし、行われる日が決まっていて平日だったりして撮影は困難がある。なれど、できるだけ湖北の人々が信じてきた「オコナイ」という宗教形態を撮影して、実態を追求してみたいと思っている。 なお、甲賀地方では寺院の行事として行われる例が多いが、湖北では神事と意識されており、神社で行う例が多い。 お神楽や田楽のように舞を伴うことは無いが、粛々と進む神事にはこの地方の人々の深い祈りが感じられる。 写真は、許可を得て撮影。 頭屋(当屋)は、男性のみ立入り可。 撮影でも正装・礼服(上下黒に白ネクタイ)が望ましい。 ※オコナイは、集落内の閉じられた祈りの場であり、観光客やアマカメラマンに公開された行事ではありません。祭礼の場を穢さない身なり服装(ネクタイ着用など)で訪問し、許可が必要です。 |
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Last Updated 2022-01-31